UMTP L3に合格しました。

今年の初めにUMTP L3に合格しました。
2014年に1度落ちてから今年2度目の受験で合格です。
配点の内訳は、モデリング8割、知識6割でした。(前はモデリング5割、知識10割で落ちたので、知識問題の配点は満点でも全体では1割程度しか得点にならないためモデリングで確実に得点を取る必要があると思います。)

この試験、L3は受験対策用の書籍が出ていないので試験対策をどう取り組んでいいか割と悩みます。

協会のHPにサンプル問題はあるのですが、対策本や参考書出版されて無いしネットにもほとんど情報が無いです。更に悪い事に合格者のブログ記事などがググってもあんまり出てこないという…。2013年以前は受験や合格報告の記事がいくつか出てくるのですが、最近は殆どアップされていません。いかんせん情報があまりないので怪しげな正体不明感があります。なので、自分が受験したときの情況を簡単に書いておこうと思います

試験について

L3の概要ですが、合格率はネット上で拾った情報によると40%らしいです。

受験料はここに書いてある通り通常1万5千円です。が、年末などに割引があり1万1千円のキャンペーンがあるので安く受験できる時もあるようです。受験料はクレジットカードOKで、試験会場さえ抑えられれば年中受けられるのでIT系国家資格よりだいぶ敷居は低いと思います。

1度落ちた後に試験についてちょっと調べてみました。その時思ったのは、この試験「オージス総研とオブジェクトの広場」を監修している人たちと「児玉公信」さんが結構噛んでいる雰囲気ですね。と言うのも「モデルの揺さぶり」とかはモロに以下の黄色本で児玉さんという方が発信している概念かと思います。

UMLモデリングの本質 第2版

UMLモデリングの本質 第2版

ちなみに、黄色本はUMLがどのようなものか把握するには良いですが、試験問題を解くという観点ではそこまで有用ではないため、こと試験対策として購入するのはあまりお勧めではありません。

なのでもう一方の関係者(オージス総研)が出してる、

その場でつかえる しっかり学べるUML2.0

その場でつかえる しっかり学べるUML2.0

  • 作者: オージス総研オブジェクトの広場編集部,山内亨和
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 13回
  • この商品を含むブログ (11件) を見る

は、1冊でほど出題範囲のUML記述を全てをカバーしてるようでいい感じです。

和書でUMLの有名どころの以下の本

ダイアグラム別UML徹底活用 第2版

ダイアグラム別UML徹底活用 第2版

は、内容が軽い(ちょっと浅い)ので物足りない感じです。

勉強したこと

サンプル問題は超重要

サンプル問題は貴重な情報源なので何度か解いてます。これを全く間違えずに回答できるくらいでないと本番キツいです。(サンプル問題の写真に写っているの児玉さんでは…?w)

モデリングできるように…

初回の受験で設問は組み込み系の問題と業務系の問題がそれぞれ1-2問合計3問出題されるのが分かったので、出題されたときに焦らないよう、業務系のモデリングと組み込みのモデリングをネットで見つけては書き写したりしました。写経も結構効果ありますね。あと、自分でシステムをでっち上げてそれをモデリングしてみたりを繰り返していました。(仕事でやっている人は仕事以外のジャンルでそういった事をするのがよさそうですね。業務系で組み込みを一切知らないと出題されたときに少々焦ります。)

国語力が必要

全体的に国語の読解力を試されるというか、試験問題に「これ、見方によってはどうとでも取れるのでは?」という記述が出てきますが、そういった場合焦らずに問題をもう一度読みましょう。読み込みや理解が甘いと特にそう思うようで、しっかり読んで理解すれば必ず1つに絞って回答できるように設定されています。なので1度目の試験を落ちた後国語力を鍛えるというか、人の文章をよく読む事や、ちゃんと理解をする事を意識して過ごしていました。なので、2回目では設問に戸惑うことはあまりありませんでした。全体的にクイズ感覚っぽかったです。

設計原則は抑えよう

OOPの設計原則は押さえておいたほうがいいと思います。個別の実装より上位の抽象概念の"SOLID"や"GRASP"や"デザインパターン"は覚えた上で適用できそうな局面を意識しながら覚えておくと良さそうです。

OCLの割合は低い

COLは…プログラミングしてればなんとなく想像つきます。特に試験では全く新規にOCLを書くのではなく設問から選択する形です。構文がラムダ構文にすこーしだけ似てるため、プログラマならば、類推可能です。そうでない方は、、、なので構文をそらんじられるほど暗記!のような気合の入った勉強はしないでも大丈夫です。(ただ中問題がOCL1問で構成されている時があるので誤回答すると配点的にはヤバそうですが…)

試験問題

ネタバレすると怒られそうなので概要だけ紹介します。
・クラス図はクラス名と属性、関連端の多重度の穴埋めは必ず出る。
・設問が難しいとクラス図は完成していてそれを推敲する問題となる。
・組み込み系(車関係や設置物内蔵ソフト系)/業務系の問題が出る。
・1問目は結構簡単
・2問目は少し難しい
・3問目はかなり難しいので時間配分に注意
・実務で担当したとか、趣味で作ったものに設問が当たれば問題は超簡単。そうでないとやや悩む。
という感じでした。

感じたこと

試験時間は余裕が無い

試験は時間が結構キツいです。120分あっという間に経過します。気が付いたら残り45分で大問題が1問残ってたりするとプレッシャーはかなり感じます。最後に1問はほかに比べて難しいので45分は特にそう感じるかもしれません。

試験の合格者数?

届いた合格証書の番号が500番に届いていませんでした。この番号ってL3全体の合格者数とイコールでないですよね?さすがにそれだと合格者数がさみしい感じです。(ちなみにこの試験2008年開始してから9年経ってます。年間合格者が平均で55人?)ってことはないと思いますが…

実業務でのOCL利用頻度

私見ですが、OCL使わないです。使ってる人この世に居るの?って感じです。いや、存在してはいますよね。日本で広く使われているとは言い難そうです。OCLを覚えるコスト感とプログラミング言語を覚えるコスト感はかなり似ていそうです。日本語のコメント or 実装予定言語で表現したほうが伝わりやすそうです。OCLの情報はネットにはほぼ無いし(いや、本当はガチの仕様があるのですがこれ読んで理解してもねぇ…)、日本語の本は出てるけどもはや伝説の古文書級だし、実務では理解している人がいない状態で使うのは圧倒的マイノリティです。試験には必要なんで少しは勉強しますが…一応ここを参照しました。

ロバストネス分析は試験には関係なさそう

オージス本の巻末にある"ロバストネス分析"関連の問題は2回の試験には出ませんでした。世間で広く活用されているとは言い難いため、本読んでふーんくらいで正解だったみたいです。リンゴとドアノブとお盆に乗った饅頭です(何が?w

最後に

本で勉強して試験に臨むスタイルが通用しないため業務経験を通じた地力を試されていると思いますが、受験時に参考にしていた書籍を紹介しておこうと思います。

その場でつかえる しっかり学べるUML2.0

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  • 作者: オージス総研オブジェクトの広場編集部,山内亨和
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: 単行本
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表記法はこの本だけで大丈夫です。巻末の演習は何度かトライしてみると良さそうです。

UMLモデリングレッスン

UMLモデリングレッスン

赤本は内容が非常に簡単なんで繰り返し取り組むのが良いと思います。

UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)

UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)

この本は、直接役に立ったわけではないですが、ファウラーは自分の中では先生なのでなんとなく期間中読んでいました。

以上、試験を受けるのに少しでもお役に立てれば幸いです。