Cocos2d-xのListViewをGridView風の表示として扱うためのライブラリ

Cocos2d-xの「ListView {cocos2d::ui}」でグリッド風の表示(GridView)を扱うためのライブラリを作成しました。

ある程度動作が確認できたので公開したいと思います。

動いているところ

実際に動作させると以下のようになります。

1行の中に複数のアイテムを格納(動画では1行に2件)してグリッドビュー風の見た目にしています。

youtu.be

考え方

ライブラリの考え方ですが、まずListViewに1行を表すLayoutパネルを作成します。

次に、実際に表示する要素をLayout内に横に並べて1行を表現しています。

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1行に収まらない要素の追加を行うとLayoutを新規作成してListViewに追加、LayoutにWidgetを配置していくのが基本的な考え方です。

ゲームアプリで使用を想定している(デスクトップアプリやWebではない)ので以下制約を持たせています。

  • 1行の高さは固定(最初に指定する
  • 子要素の大きさも固定(子要素の大きさが個別に異なる事を想定しない
  • 並び替えとかは考慮していない
  • (たぶん)大容量データを一度に表示とかはしないほうがいい

考えかたから分かる通り、途中のデータを挿入・削除する操作に非常に弱いです。

そういった操作を行う場合、一度全部削除して新しいデータ列を追加するなどの工夫が必要になります。

作成・確認環境

作成 & 動作確認環境は以下の通りです。

  • Cocos2d-x 3.16.1
  • Windows10
  • VisualStudio 2017

成果物

コード一式をGitHubにアップしました。(MITライセンスです。利用はご自由にどうぞ。

github.com

使い方の説明

基本的に要素の操作を「GrieViewクラス」経由でListViewを操作(追加・削除)を行っていきます。

初期化して要素を追加・削除くらいしか操作はありません。

初期化・解放

// 初期化するとき
// GridView化するListViewのオブジェクトと、1行の高さ、1行に表示する要素数を指定する
auto gridview = GridView::create(listview, 120.0f, 2);
CC_SAFE_RETAIN(gridview); // Refを継承しているのでカウントを上げておく
this->gridview = gridview;  // レイヤーのフィールドに記憶する

// 解放するときはカウント減らす
CC_SAFE_RELEASE_NULL(this->gridview);

パラメータの作用は図にすると以下のようになります。

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要素の追加・削除

// ★追加
// GridViewクラスのaddメソッドでWidgetを追加できる
auto image = ImageView::create("sample.png");
image->setName("aaa"); // 削除するときに名前が必要なので文字列を設定する
this->gridview->add(image);

// ★削除
// 追加時に指定した名前を指定して要素を削除できる
this->gridview->remove("aaa");

// ★全部削除
this->gridview->clearAll(); // すべての要素が即座に取り除かれる

距離の指定

要素と要素の距離を開ける場合setItemMarginLeft()を使用します。

// 要素間の距離を取りたいときは初期化の直後に指定する
this->gridview->setItemMarginLeft(4.0f);

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要素をパネルに配置されたときにオフセットしたいときはsetItemOffset()を使用します。

// 追加するWidgetに左下からマージンを取りたいときは以下のように指定する
// 初期化の直後に指定して下さい
this->gridview->setItemOffset({ 4.0f, 4.0f });

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簡単ですが以上です。

もっと複雑な操作が必要な場合、このクラスを拡張してご使用ください。

プルリク待ってます。なんちゃってw

以上です。